NECモバイリング40年史
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15●2004N900iGN900iN900iS人を設立し、NEC向けに携帯電話端末保守部材の供給事業拡大を目的とするものであった。中国国内向けの携帯電話および携帯電話システムの保守部材および関連するマニュアル・治具の調達と販売を主な事業領域とし、社員は3名でスタートした。「itsmoSaver(イツモセーバー)」の提供開始 2004年4月、「itsmoSaver(イツモセーバー)」のサービスを開始した。「itsmoSaver」はショップ事業拡大に伴い、社内で増加する携帯電話料金の管理を効率的に行うことを目的とした社内用管理ツールだったが、法人営業担当者から担当企業に紹介したいとの要望を受けて外販化に向けた検討を重ね、提供を開始した。 開発当初の目的は携帯電話の管理工数の削減にあった。外販化を進める中、通信費の削減にも取り組むこととして、“管理者による通信費の監視”ではなく“利用者の‘気づき’による抑制”を特長とした“利用実績メール配信機能”を組み込むことで、費用対効果の高いツールとして他社サービスとの差別化を行った。 スタート当初、対応する通信事業者は1社だったが、通信事業者の増加やサービスの変化などに対応し、2005年4月にはマルチキャリア対応を実現した。また2006年11月にはNEC向けカスタマイズ(「itsmo-Saver for NEC」)、2008年4月には携帯電話の管理業務請負サービス(BPO)の提供をそれぞれ開始。2010年2月には固定電話通信事業者へも対応し、2011年7月にはスマートフォン管理業務請負サービスの提供を開始した。 2012年現在、「itsmoSaver」はASPサービスの枠を越え、営業・開発・運用の三位一体で端末の導入支援から管理運用、ヘルプデスク、料金コンサルテーションまで行うトータルサービスに発展し、導入企業数350社以上に達した。NECによる当社株式の一部売却 2004年5月、当社株式の流動性を高め株主層の拡大を図ることを目的として、NECが保有する当社株式のうち234万株が売却された。これにより2004年3月末に4,396名だった株主数は2005年3月末には9,914名に増加した。また、NECによる当社の持株比率は67.1%から51.0%となった。松尾義武社長就任 1970年4月NECに入社。1996年4月同社交換移動通信事業本部移動通信システム事業部長、2002年4月NECネットワークス執行役員などを歴任後、当社第7代社長に就いた。 就任にあたっては「すべてはお客さまのために」を最大の価値観とし、職業倫理と遵法精神を貫き、「打てば響くような風通しの良い、きびきびした会社」、「絶えることのない成長への挑戦」を経営方針として掲げ、携帯電話販売事業、携帯電話修理・エンジニアリング事業に継ぐ第三の事業の柱の育成を目指して大規模な社内横断プロジェクトを推進、新事業の開拓に努めた。CMMレベル4の認定を取得(CMM公式アセスメント) 2004年6月、当社の第一開発統括部第一モバイル開発部はCMMレベル4の認定を取得した。CMM(capability maturity model=能力成熟度モデル、現行はCMMI)はカーネギーメロン大学が開発したソフトウェア開発能力の品質管理手法で、達成度合いにより等級が設けられている。当社が取得したレベル4は、5段階のうち上から2番目の「標準化されたプロセスを定量的に測定し、洗練化していく状態」にあたる。日本のモバイルソフトウェアの開発に携わる部門での取得はまだ例が少なく、業界内での注目を集めた。2004年 注目の出来事おサイフケータイが登場 2004年6月、NTTドコモは電子マネーとして店舗や自動販売機、インターネット通信販売での商決済だけでなく、乗車券やチケット、ポイント、会員証などのさまざまな用途に使うことのできるおサイフケータイのサービスを開始した。 すでに携帯電話にはメールやインターネット接続、カメラ(静止画や動画)機能、音楽再生機能も付いて年々多機能化が進んでおり、その後もGPS機能、ワンセグ視聴などが加わり、さらに多機能化していった。第7代社長 松尾 義武「イツモセーバー」のカタログmova P506iC

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