NECモバイリング40年史
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●6特集この10年、当社は東証一部上場で幕を開けた。同時に、当社を取り巻く環境も大きく変化を始めた。私たちはそうした社内外の変化にどのように対応し、今に至ったのか。ここではこの10年の各事業を牽引してきた人々に、この10年をステップに未来をどう切り拓いていこうとしているのか、インタビューした。 この10年で築いた強みで、未来を拓くエリアマーケティングを徹底して行った出店戦略 東証一部上場で始まったこの10年、キャリアショップの店舗数は劇的に増加した。当社の店舗数は10年前に比べ約2.5倍の246店舗(2012年10月現在)になった。新規出店にあたっては、他代理店に先駆けエリアマーケティングを強化した。通信事業者の方針を踏まえ、どこに出店すればより多くのお客さまにご来店いただき販売台数が確保できるかを人口や通行量、購買データなどから分析し、徹底的にリサーチを行い、積極的に店舗を増やしていった。 この10年は怒濤の出店が続いた。出店のスピードが速いため、店長にはスタッフの採用や店舗の核となる人材の育成も含め、業績の目標達成を軸とした質の高いマネジメント力が必要となった。2002年に始まった「店長処遇(ライセンス)制度」により店長の役割が定義され、よりやりがいのある職位となった。 「事業規模、目標達成度合いによる処遇を行い、店長としての高いマネジメント力と、より高いレベルの目標達成を求め、処遇する制度です。」 これ以降、店長は管理職となり、女性店長も数多く誕生している。現在では、「プロジェクトリーダー制度」と持つようになってきた。各代理店の中でも当社の高い収益力の根本は、この部分が極めて大きいと感じている。新しいアイディアの導入でスマートフォンへの需要をカバーする スマートフォンの登場で、ここ数年、市場環境は大きく変化している。 「スマートフォンは初期設定や使用方法の説明などで接客時間がどうしても長くなります。ここの効率化が課題です。まだ十分ではないですね。」 カタログやマニュアルを携えての接客から、接客に関わる情報をタブレット端末に集約し、お客さま応対時間の効率化を図った「タブレット接客」や、スマートフォンの初期設定をお客さまご自身でしていただける「スマートフォン・コンシェルジュ・サービス」など、新しいアイディアツールの導入も続けている。 これまであまりパソコンなどになじみのなかったシニアのお客さまにも、らくらくスマートフォンの需要が高まっている。当然ながら売れば売るほど、アフターセールスの対応が増える。簡単とはいえ、通話機能だけの端末ではないからだ。今後、シニアの方々の消費活動がより活発化し市場をリードモバイルセールス事業本部ショップはお客さまとの出会いの場、お客さまとの出会いを大切にするのが仕事ですともに制度運用されている。損益管理ツール活用による経営者“店長”の確立 当社の経営効率は代理店の中でも上位に位置している。その大きな理由は損益管理手法のレベルアップにある。 「店舗ごとに損益を管理しています。とくに営業利益に関しては、店舗単位で週毎に細かくトレースできるようにしているので、店長が損益構造を把握できます。そうすると状況に応じて素早く対策がとれるようになります。現状ではデイリーで各手数料の収入推移、ウィークリーで損益の進捗、そして月末落着見込みが把握できるようになっています。代理店業界の中でも当社の管理手法のレベルは高いと思っています。」 かつては販売台数やネットワークオプションの獲得件数を追うものの、月中での損益が把握できず、月締が完了しなければ損益の数字が把握できなかった。 そこで、当社独自の管理システムを開発し導入した。その結果、自分の店舗の利益に対するモチベーションが上がり、店長に経営者の意識や商売人としての意識が強く芽生え、店長以下ショップスタッフも商売への貪欲さを小野 雅之(左)、小林 国博(右)

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