NECモバイリング40年史
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19●2006光ブロードバンド回線・Bフレッツの販売トライアル開始 2006年11月より、インターネット固定回線である光ブロードバンド回線・Bフレッツの販売トライアルをドコモショップ町田店においてスタートした。 2004年11月発表のNTT中期経営戦略の中で、次世代ネットワーク構築に向けて2010年までの光回線3,000万契約が打ち出され、FMC(固定回線と移動通信の融合)に向けた取り組みが始まっていった。 2006年10月にシステム統括部においてブロードバンド販売計画が立案され、2007年4月には事業戦略として回線販売を加速するとともに、FMCの市場開拓についても指示が出された。また、収益性確保と合わせてITソリューションショップ構想も示され、その後は販売事業本部新事業推進室が総括の責任部門となった。 2007年秋以降はドコモショップにおけるBフレッツの販売を加速し、パソコンやFAXなどと合わせた“光スターターパック”キャンペーンや、Wi-Fi機能を搭載したNEC製携帯電話端末N-02B、N906iLとのキャンペーンなどを展開した。2006年 注目の出来事ソフトバンクが市場参入 2006年4月、ソフトバンク株式会社は日本で携帯電話事業を行っていたボーダフォンの日本法人を買収し、同年10月にソフトバンクモバイル株式会社が設立された。 ソフトバンクモバイルは翌2007年から、ホワイトプランなどの割安な料金プランを発表するとともに、CM戦略で若者層の支持を集めはじめ、毎月の純増数でほかの通信事業者を抑えて首位になることが多くなった。さらに2008年から国内独占販売を開始したiPhoneが人気を呼んだことが追い風となり、2012年8月には契約数が3,000万件を超えてKDDIに迫る勢いとなり、日本の携帯電話市場を牽引するまでになっている。N903iN902iSN902iX HIGH-SPEEDN702iSN702iD通信事業者から全国での個宅訪問業務を受注するに至った。端末修理ラインの改革 2001年前後よりNEC製携帯電話は人気が高まり、4年連続トップシェアを維持していた。こうしてNEC製品の稼働台数が増えた結果、修理台数も増加の一途をたどり、2006年当時、当社の端末修理ラインでは修理品の滞留が解消できなくなっていた。また修理解析時間も工数を要していたため、後工程においても滞留を解消できず、品質面での課題も抱えていた。 そこで端末修理ラインの拡大と効率化に向けた検討を重ね、量産(生産)における改善活動の考え方を修理現場にも適用すべく、仕掛削減、修理効率、品質向上の視点から改善活動を開始した。さまざまな要因により改善活動は苦戦をしいられたが、スムーズな流れができるラインづくりを目指し、納期短縮、原価低減、棚卸削減、キャッシュフローならびに修理品質の向上を図っていった。ベネズエラで初の海外工事を受注 2006年5月、当社初の海外工事となるベネズエラ国鉄向けカラカス近郊線鉄道複合通信システムの列車無線に関わる本線工事が始まった。同工事は当社からNECへ出向中の社員が納入プロジェクトを担当し、当社復帰後も担当していたことから引き続き管理業務を請け負うこととなったものである。 当初は受注元の総合商社からプロジェクト窓口業務および列車無線に関する管理業務を委託されていたが、代替製品の対応や具体的な現地工事の開始に伴い、管理業務を担当し、契約内容およびシステムを熟知している当社が工事も含めたプロジェクト全体を円滑に実行できることが評価され当社が主契約者となった。 工事はブースタの設置、鉄塔の建設、全長43kmにもおよぶLCX(漏洩同軸ケーブル)の敷設、営業車両への無線機取付けなどを行った。また、保守車両への無線機の取付けや、すでに製造中止となっていた車載無線機の代替品の調達など、追加工事も行い、2007年3月末に工事は完了した。ボーダフォンの買収を報じる新聞(2006年3月18日付朝日新聞)LCXの敷設改善された端末修理ライン当時の取扱店

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