NECモバイリング40年史
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7●していくことをにらみ、よりお客さまの属性に合わせた対応が重要となってくる。 「いつでも気軽に相談に来ていただける、いつも丁寧に対応させていただく、また、つねにお客さまにとって有益な情報を提供させていただく。そういうショップであることが重要になってきます。これからますますそうなってくると思います。今の高校生や中学生の世代は、携帯電話デビューがスマートフォンなのですからね。」 一方で、スマートフォンは店舗の作りにも変化を与えた。さまざまな機能を持つスマートフォンやタブレット型端末などの商品には、実際に手にとって操作できる体験型の展示スペースが必要となった。すると小規模な店舗では展示スペースが取れないため、そういうショップは移転・増床しなくてはならない。そうしないとお客さまから支持されなくなってしまうからだ。また周辺の環境変化により、移転・増床が必要となっているケースもある。それら店舗の整備にも順次対応していかなければならない。お客さまや市場の変化を感じとる感覚を持て 次の10年、販売チャネルの変化により店舗数は増減するものと思われる。通信事業者の市場シェアの変化、量販店の動向によりショップ再編も起きてくるであろう。 「今後を見据えてやるべきことは何か。それは現在のショップや傘下の量販店を含めたセールスプラットフォームの拡大と質の向上です。これまでやってきたことのブラッシュアップはもとより、日々変化する市場とお客さまニーズをいち早く察知し、柔軟に対応できる体制と適応力の高い人材が重要だと考えています。」 お客さまの求めるものはつねに変化している。市場環境の変化に対応できる柔軟性がないとお客さまにそっぽを向かれてしまう。たとえば、通信事業者が送り出す新しい商品・サービスと、お客さまが求めていらっしゃるものの間にはギャップがある場合がある。そのあいだに立って、お客さまのニーズと商品・サービスをマッチさせるのがショップの役割となる。たとえばテレビショッピングの販売手法は、商品の“高機能”“高性能”をうたい文句にしない。機能や性能をいくら説明してもお客さまには伝わらないからだ。そこで、こういうときに使うとすごく便利、こういうふうに使うことでこんな素敵なことができる、と話す。それで商品がヒットする。つまり商品の機能・知識だけでなく、お客さまが気付いていない潜在ニーズを引き出すための応対スキルが必要なのだ。 「お客さまと市場の変化を感じ取れる感覚が大事だと思います。繁盛しているショップはお客さまに訴求するための店頭のPOPから他店と違っています。接客の中でお客さまの疑問や要求を吸収して、お客さまにご提案するための自分の引き出しをいかに増やせるかが重要なのです。それを表現するセンスが問われているのです。」 ショップにはさまざまなお客さまがいらっしゃる。ビジネスのヒントがある。ヒント以上に大切なものがある。 「ショップで接客していると、生涯出会わないであろうお客さまと出会うこともあります。“想定外”の人と出会うのは人生の糧であり有益なことです。出会いは無限で、誰でもそういう体験を一度はするべきだと思うのです。そういう場で人を見る“目”を養っていく。この仕事を通してショップは、人間として成長させてくれる場なんだと感じています。」 お客さまとの出会いを大切にし、何度も繰り返しお店に来ていただけることが、私たちにとってのビジネスにほかならない。■いらっしゃいませ! 私たちにおまかせくださいスマートフォン体験コーナー

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